2014.05.29ご質問にお答えします。そして監督ガンバレ‼

ここ数日の間、「先生、黄色靭帯骨化症って何?」「星野監督、治るの?」
そんなご質問がすご~く多いです。みなさん、星野監督が相当好きなんですね~。
では、ご要望にお応えして・・・。聞きなれない単語がでてきます。その辺は、施術の時に直接聞いて下さい。あしからず。

背骨=脊柱を構成している1つ1つの骨「椎骨」は、円柱形の「椎体」と、背中側に出ているいくつかの突起を持つ弓状の「椎弓」から成ります。椎弓と椎体に囲まれてできた孔が「椎孔」で、これが縦に連なって「脊柱管」を形成しています。よく「脊柱管狭窄症」って聞きませんか?そうです。何年か前に、みのもんたが手術をしたのをご存知ありませんか?そして、この脊柱管の中に脊髄が通っています。
背骨を支える靭帯には、椎体の後ろ側を縦に走っている「後縦靭帯」、前面を走っている「前縦靭帯」、椎弓をつないでいる「黄色靭帯」などがあります。後縦靭帯と黄色靭帯は椎骨とともに脊柱管を構成しています。
 これらの靭帯に骨化が起こる病気を総称して「脊柱靭帯骨化症」といい、後縦靭帯に起こったものは「後縦靭帯骨化症」、黄色靭帯に起こったものは 「黄色靭帯骨化症」、前縦敵背に起こったものは「前縦靭帯骨化症」と呼ばれます。骨化の起こる頻度が高いのは前縦靭帯と黄色靭帯で、黄色靭帯骨化は胸椎によく起こります。脊髄障害が出やすいのは後縦靭帯骨化症で、頚椎によく起こります。
 骨化が脊柱管内で起こる後縦靭帯骨化症や黄色靭帯骨化症は、圧迫による重症の脊髄障害を引き起こす率が高いことから、難病の1つとされています。首の骨に起こる「頚椎後縦靭帯骨化症」が代表的です。胸椎や腰椎、あるいはほかの靭帯の骨化を合併することもよくあります。

原因はよくわかっていませんが、体質的な要因と環境的な要因が重なって起こると考えられています。特に日本人には多く、生まれつき脊柱管が狭いことも脊髄障害を発症させるlつの危険因子とされています。受診年齢は50歳代以上が多く、転倒などによる外傷が発症のきっかけになることもよくあります。

=脊柱靭帯骨化症の症状=
多くはしびれから始まり、知覚、運動、尿の障害が現れます。

靭帯の骨化は加齢に伴って徐々に進行するので、脊柱管がかなり狭くなっても症状がなかなか現れません。頚椎後縦靭帯骨化症では、局所症状として、「肩こり、首の痛み」などが起こります。これらはいろいろな原因から起こるので、多くの患者さんは「しびれ」から異常を感じ始めます。

神経根や脊髄が圧迫されることによる症状はさまざまですが、次の3つに大別されます。

①知覚障害:「手足のしびれや痛み」を感じます。

②運動障害:「服のボタンのかけはずしが難しい、箸が使いにくい、字を上手に書けない、ひもが結べない」 など、手指の細かい動作がうまくできなくなります。ただし、右利きの人に左手のみに症状が出ても、気づきにくいことがあります。また、脚が突っ張ったようになって歩きにくくなる「痙性歩行」も見られます。つまずきやすくなったり、階段の上り下り、特に下りるのが難しくなったりします。

③尿の障害:病態によっては「尿が出にくい、残尿感、尿が漏れる(失禁)」などが現れます。便が出にくくなることもあります。

 ただし、転倒などのちょっとした衝撃がきっかけで、一気に発症することもあります。また、頚椎の後縦靭帯骨化症に椎間板ヘルニアを合併したりすると悪化します。
 症状は後縦靭帯骨化症でも黄色靭帯骨化症でもほとんど同じです。ただし部位によって異なり、下位頚椎や胸椎に起こった場合は胸の圧迫感や肋間神経痛のほか、狭心症の胸痛と間違えやすい症状が現れます。

診断方法としては・・・
診察の際は、まず症状についての問診が行われます。しびれや痛みのほか、排尿・排便の異常がないか、症状が現れるきっかけになる事故やけががなかったかも聞きます。糖尿病の既往歴も重要です。高血糖の状態だと、たんぱく質の変性が起こりやすく、靭帯の骨化に影響するからです。
 神経・脊髄症状を調べるために、感覚や反射、運動機能の検査も必要です。腱反射テストや、手でグーパーをすばやく繰り返す10秒テスト、筋力テストなどを行います。
 靭帯の骨化は、エックス線検査で確認でき、背骨を側面から撮影すれば発見できますが、詳しくはCTで確認することもあります。ただし、脊髄はエックス線では確認できないので、MRI検査を行います。どの部分で脊髄が圧迫されているかはMRIで鮮明にとらえることができます。脊髄造影や筋電図検査などは、ほかの病気との鑑別が難しい場合や、手術を前提にして行われるのがほとんどです。

保存的な治療方法として・・ 
残念ながら一度起こった靭帯の骨化が治ることはありません。保存療法は頚椎の安静が主体となります。すなわち、首の動きによって生ずる脊髄の圧迫を軽減するために行います。

  • 頚椎カラー:首を反らすと手足に電気が走るような痛みが起こる人などでは、頚椎カラーを着けて安静を図ることがあります。ただしあまり長く使うと首まわりの筋力低下を招くので、使う理由と装用期間を医師に確認しましょう。通常、長くても約1か月です。
  • 牽引療法:入院して行う「持続牽引」と、通院で行う「間欠牽引」があります。神経根への圧迫による症状のみならどちらも有効ですが、脊髄の圧迫による症状があれば、間欠牽引は行われません。牽引を行っている間、動きに伴う圧迫を軽減することができます。ただし、牽引は方法を誤ると悪化することがあるため、医療機関で医師の指導のもとで受けることが肝心です。
  • 薬物療法:痛みに対して消炎鎮痛薬を用いるほか、こりや筋肉の緊張が強い場合には筋緊張緩和薬、しびれに対しては、神経の回復を促すとされるビタミンB12剤などが使われています。急性増悪が見られたときにはステロイド薬も用いられます。

これらの保存療法を1か月間ほど行っても効果が得られず、脊髄障害が明らかな場合は、手術を考えることになります。

日常生活で気を付けたいこと・・・
背骨が曲がりにくいので衝撃が加わらないように注意します。
 靭帯骨化のある人は体が固いので、例えば頚椎にある人では、上を仰ぎ見るような姿勢を避けるなどの注意が必要です。わずかな外傷をきっかけに症状が出るケースが多いので、プールへの飛び込み、器械体操など、頚椎に衝撃の加わるようなことも控えましょう。

国の特定疾患とは・・・
後縦靭帯骨化症、黄色靭帯骨化症は国の特定疾患に認定され、脊髄障害を伴う後縦靭帯骨化症では、健康保険の自己負担分について公費負担が受けられることがあります。自治体の保健所が申請窓口となっているので、問い合わせてみるとよいでしょう。
*特定疾患について詳しくは難病情報センターホームページ(http://www.nanbyou.or.jp/what/index.html)参照。




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